なる法どう?

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行政書士 二瓶裕史

信州大学を卒業と同時に平成14年「行政書士二瓶事務所」開業。消費者問題・NPO法人の設立からサポートまでを主業務としていたが、近年はより幅広く市民生活サポート、起業家支援に力を入れている。また、積極的に講師業も行っている。

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意外と知られていませんが法律はあなたの身近なものです。
このコーナーではそんな法律を紹介します。得するかも?

○ブログによる他人の悪口

今回は、久しぶりの「成(なる)ちゃん」と「法(ほう)くん」が登場。

二人ともインターネットが大好きなようだけど、やっていいことと、やってはいけないことの認識がちょっと違うみたい。

成ちゃん 「法くん、久しぶり! 夏だねぇ。暑い暑い。学生は夏休みだけど私ら社会人はがんばって仕事しなくちゃね。」

法くん  「うんうん。仕方ない。夏休みが懐かしいなぁ。」

成ちゃん 「ところで、夏休みといえば、クーラーの効いた涼しい部屋でインターネットをして過ごす人も増えると思うんだ。そんなわけで、今日はインターネットに関してのことをちょっと聞いてみたいと思うんだけど、いい? 大丈夫?」

法くん  「大丈夫?と聞かれても困るんだけど・・・。うん、大丈夫だよ! たぶん。」

成ちゃん 「よくさぁ、みんなの前で(不特定多数の前で)、誰かを(特定の個人を)誹謗中傷したり、雑誌や新聞で中傷記事を書くと名誉毀損になるっていうのはニュースでもときどき耳にするから知ってるんだけど、私が個人で書いているブログ(日記風ホームページ)でも同じように名誉棄損とかの罪になっちゃうの? 日記なんだから好きなこと書いてもいいんだよね??」

法くん  「普通の日記なら好きなこと書いてもいいよ。でも、ブログって普通の日記とはちょっと違くない?」

成ちゃん 「そうだよね。みんなに見られちゃってるんだもんね。」

法くん  「最近では、小さい子からお年寄りまで老若男女問わず、本当に多くの方がブログを持っていて、気軽にいろいろな表現活動をすることができるようになってきたよね。そして、インターネット上で文章を公開するということは、成ちゃんの言うとおり、その瞬間に世界の人の目に触れるということなんだよ。」

成ちゃん 「ある意味怖いよね。」

法くん  「うん。新聞で記事を書くのと同じ、場合によってはそれ以上の影響力を持つこともあるよね。ということは、当然、個人のブログとはいっても他人の悪口(誹謗中傷)を書いて公開してしまえば、他人の名誉を毀損する、つまり刑事上の責任が発生することもないとは言えないんだよ。また、それによって損害が発生すれば民事上の損害賠償義務も負わなくてはならないということもあるしね。」

成ちゃん 「ええ~っ、ますます怖い。」

法くん  「さらに、いつかもニュースになってたけど、バイト先での出来事を事細かにブログに書いて(個人を特定できるような説明つきで客の悪口や内部秘密を書く等)そのお店や会社が慌てて謝罪するという大きな問題になってたこともあったね。」

成ちゃん 「私も、上司の悪口書きまくりだよ! 早く帰って削除しなくちゃ!!」

法くん  「成ちゃん、気を付けてよね。そういうの。記事を書いてすぐに公開するんじゃなくて、ちょっと冷静になって読み直してから送信、ということも他人を傷つけない一つの方法だよ。クリックひとつで、世界中の多くの人に読まれるんだ、ということを意識して表現の仕方には細心の注意を払う必要があるってこと。軽く考えて公開したことによって後悔しないように。」

成ちゃん 「ぷぷっ。公開と後悔・・・。おもしろ・・・くない!!」

法くん  「ちなみに、さっきも言ったけど、普通に紙の日記帳に日記を書く場合(人に見られないようにコッソリ持つような)には何を書いても自由なのは言うまでもないよ。ストレス発散は、そっちでね(くれぐれも人に見られないように!)。」

成ちゃん 「わかった!ネットでは気を付けて書かないようにする!悪口は私だけの日記で!(まずは法くんのシャレがつまらないってことから・・・)」

2011/08/18 UP

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