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行政書士 二瓶裕史
信州大学を卒業と同時に平成14年「行政書士二瓶事務所」開業。消費者問題・NPO法人の設立からサポートまでを主業務としていたが、近年はより幅広く市民生活サポート、起業家支援に力を入れている。また、積極的に講師業も行っている。
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意外と知られていませんが法律はあなたの身近なものです。
このコーナーではそんな法律を紹介します。得するかも?
○印鑑について(実印編)
成(なる)ちゃん、なにか不機嫌な顔して歩いてきます。 それをビクビクしながら見る法(ほう)くん。
成ちゃん「ちょっと聞いて~っ!!」
法くん「な、なに・・・?」
成ちゃん「ダメなんだって!! せっかく作ったのに、ダメなんだって!!」
法くん「なにが・・・?」
成ちゃん「それがさぁ、私も大人だからさ、そろそろ実印を持とうかと思ってね。市役所に持って行ったのさ。そしたら、『その印鑑じゃ登録できません』って言うんだよ。おかしいよね。」
法くん「実印を持とうと思って、印鑑登録に行ったら、断られたってこと?」
成ちゃん「そうそう。なんでかなぁ。ねぇ。」
法くん「ちょっと、成ちゃんが持って行った印鑑見せてみてよ。」
成ちゃん「いいけどぉ、下手だとかって、笑わないでよ。」
法くん「(下手? 笑う? なんだ、それ。)」
法くん「・・・って、成ちゃん、これ、イモ判?? しかもデカっ!」
成ちゃん「かっこいいでしょ~♪」
法くん「・・・はぁ。成ちゃん、印鑑登録すると、その印鑑は実印になるんだよ。それがイモ?? ありえない・・・。」
成ちゃん「??」
法くん「市役所のHPで、印鑑登録についてみてみるよ、ほら。登録できない印鑑として『変形しやすいもの』『8ミリ以下、25ミリ以上』ってあるでしょ。イモって、変形しやすいよね。って、そもそも放っとけば干からびて形変わるよね?? そして、成ちゃんのイモ判、直径100ミリはあるよね・・・。」
成ちゃん「えへへ。いいでしょう。」
法くん「もう・・・。ちゃんとした印鑑作って、もう一回行ってきなよ。で、いい機会だから、印鑑について教えてあげるよ。」
成ちゃん「ほうほう。」
法くん「印鑑っていうと、実印と認印が思い浮かぶよね。どう違うと思う?」
成ちゃん「実印が高級な印鑑で、認印が百均。」
法くん「そうそう・・・、じゃなくて、実印は役所に登録した印鑑で、認印はそれ以外の印鑑。一般的には、実印の方が大事なもので、認印が気軽に使うっていう感じだと思うけど、実は、民法上では実印と認印は区別されていなくて、効果は同じなんだよ。だから、正式な契約書に認印で押印したって、ぜんぜん問題ないの。でも、とても高価なものの購入や、重要な契約の時には、実印を押印して印鑑証明を付けることによって本人の意思を確認したりするのが慣習になっているんだよ。」
成ちゃん「ふむふむ。」
法くん「そんなわけで、基本的には普段使いは認印で、法務局への登記申請で、どうしても実印の押印と印鑑証明の添付が求められる時とか、どうしても相手方が実印押印を求めるような特別な場合だけ、実印を使うというのが一般的な使い分けかな。だからといって、認印も実印と同じ効力があるんだから、なんでもポンポン押しちゃダメだからね。」
成ちゃん「なるほどねー。」
法くん「そうだ、ついでに聞くけど、契印とか割印、捨印の意味、分かる?」
成ちゃん「チンプンカンプン」
法くん「じゃあ、また次の機会にじっくり教えてあげるよ。」
成ちゃん「ありがとう! とりあえず今日は、実印が私の将来の旦那様みたいな大事なもので、認印が法くんみたいな便利で気軽なものだ、ってことはわかったよ。」
法くん「どっちも変わらず大事な存在、ってことを言いたいんだね!」
成ちゃん「ちが~う!」
2013/03/01 UP