<心を揺さぶる上映会>FROM EAST
〜協力〜
fromEast
長野県塩尻市大門4-4-8
Tel:0263-52-0515
〜執筆者紹介〜
映画コラムニストの合木こずえです。
映画館で生まれ育ち、役者を目指して 進学し、 結局映画の仕事に戻ったはぐれ者です。
生まれた時からスク リーンの前にいるので、 数限りなく観た映画のシーンが常に頭を駆け巡り、 現実の中にそれを求めて落胆ばかりしています。

上映会メニューへ
FROM EASTは、
1995年に一旦東京を引き揚げて来たときに作った上映会です。
フランス映画やイギリス映画が大好きなので、
渋谷のBunkamuraル・シネマや銀座のシネ・スイッチ、
日比谷のシャンテ・シネなどで上映される作品を選定して、
日本映画の秀作も織り交ぜ、毎月1本〜2本、
1週間または2週間と限定して上映しています。
「ヤング@ハート」1時間48分
3/14から20まで  毎日10:30と20:30

生まれた時から、誰もが体の中にリズムを持っている。それは母親の体内で、規則正しい心臓の音を聴いて育つからに違いない。
だから音楽を聴けば自然に体が動き出す。たぶんそれは、死ぬまで続く条件反射なのだろう。
アメリカはマサチューセッツ州の小さな町ノーサンプトンに実在するロックンロールコーラス隊「ヤング@ハート」は平均年齢が80歳。1982年に結成されて以来、数年で話題を呼び、今では毎年ヨーロッパ・ツアーに出かけるほどの人気を博している。クラシック一辺倒だった、おじいちゃん、おばあちゃんが、いつの間にかロックの魅力に取り憑かれ、体をゆり動かしながらアップテンポな曲を歌う快感を覚えてしまった。歳は重ねても、絶対に年寄り臭くはならない!と年一回のコンサートに向けて練習に励む姿をカメラが追う。デヴィッド・ボウイ、ジミー・ヘンドリックス、ザ・クラッシュ、ソニー・ユー......53歳の指導者が次々提案するロックの王者たちによる名曲を、一旦は躊躇しつつトライしてゆくメンバーの意気込みがすばらしい。歌詞が覚えられない、リズムが取れない、体調が悪い、など多くの困難を克服し、「歌があるから生きられる」と前向きに励むその姿に惜しみない拍手を贈りたい。
ヤング@ハート


「ヤング@ハート」
イギリス映画/1時間48分 監督:スティーヴン・ウォーカー
3/14から20まで  毎日10:30と20:30
料金 当日券(一般)1,700円 前売券1,300円(電話予約可)0263-52-0515
於:塩尻・東座(駐車場完備)
ヤング@ハート


〜映画の見方メモ〜
 私の上映会には「通りすがりに時間つぶしのために、ふらっと立ち寄る」方はいません。皆さん、この日は映画を見る、と計画し、スケジュール調整し仕事や家事を片付けてわざわざ来て下さる映画ファンばかりです。ですから当然ながら携帯電話の電源は切って下さいますし、上映中の私語や物音も極力慎んでいらっしゃいます。それは映画に限らず、他人と芸術を共有する場合の最低限の決まり事です。でも芝居やコンサートを観に行くと、必ず無神経な音を出したり携帯の画面を光らせたりする方がいます。そういう方は多分プライオリティーが「そこ」にはないのでしょう。だったら来ないで下さいと言いたくなりますね。ひとつの素晴らしい芸術を他人と一緒に味わう、という歓びは、マナーを守るという思いやりがあってこその感動だと私は思います。



2009/03/09 UP