<心を揺さぶる上映会>FROM EAST
〜協力〜
fromEast
長野県塩尻市大門4-4-8
Tel:0263-52-0515
〜執筆者紹介〜
映画コラムニストの合木こずえです。
映画館で生まれ育ち、役者を目指して 進学し、 結局映画の仕事に戻ったはぐれ者です。
生まれた時からスク リーンの前にいるので、 数限りなく観た映画のシーンが常に頭を駆け巡り、 現実の中にそれを求めて落胆ばかりしています。

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FROM EASTは、
1995年に一旦東京を引き揚げて来たときに作った上映会です。
フランス映画やイギリス映画が大好きなので、
渋谷のBunkamuraル・シネマや銀座のシネ・スイッチ、
日比谷のシャンテ・シネなどで上映される作品を選定して、
日本映画の秀作も織り交ぜ、毎月1本〜2本、
1週間または2週間と限定して上映しています。
「マルセイユの決着(おとしまえ)」2時間36分
7/11(土) から17日(金)まで 毎日10:30と20:30

 ジャン・ギャバンやリノ・ヴァンチュラ、アラン・ドロン、イヴ・モンタンなど男がほれぼれするギャング映画に女もときめいた時代、今よりずっと町に笑顔があふれていたような気がする。カッコいいヒーローと美しいヒロインにあこがれて、人々はいろんな夢を見ていたものだ。そんな古き良き時代の娯楽映画が今、よみがえる。
これは、フィルム・ノワールの巨匠ジャン・ピエール・メルヴィルの名作『ギャング』のリメイク。メルヴィルを崇拝するアラン・コルノーが監督し、みごとに‘60年代のフランス暗黒街を再現している。脱獄した大物ギャング、ギュは、逃亡のために新たな仕事(ヤマ)を引き受ける。元相棒の妻マヌーシュや昔なじみのギャングの助けを借り、警察の追っ手をかわしながら仕事を成功させるが、執拗に彼を追う刑事ブロのワナにまんまとはまってしまう。
マルセイユの決着(おとしまえ)
仁義を重んじ男の沽券にかけて女を守る孤独なギャング。かつてリノ・バンチュラが演じたこの役を、フランスのトップ俳優ダニエル・オートィユが演ずる。彼を愛するマヌーシュには益々女ぶりをあげた美貌のモニカ・ベルッチ。狡猾にギュを追いつめる刑事に「仕立て屋の恋」のミシェル・ブラン、そしてギュを救う大物ギャングにジャック・デュトロンが扮し、ダンディなセリフときりりとしたたたずまいでフランス映画の粋を見せる。スーツに中折れ帽、葉巻、タバコ、コニャック。渋い男たちが使う小道具や名車の数々にも注目したい。
2時間36分という長尺だが、展開の早さと美しい映像、役者の巧さに惹き込まれ、緊張の時間はあっという間に過ぎてゆく。

マルセイユの決着(おとしまえ)


「マルセイユの決着(おとしまえ)」2時間36分
7/11(土) から17日(金)まで 毎日10:30と20:30
フランス/ 監督:アラン・コルノー
料金:当日(大人)\1,700 前売券\1,300
(電話予約受付中) 0263-52-0515
於:塩尻・東座(駐車場完備)


〜映画の見方メモ〜
 私の上映会には「通りすがりに時間つぶしのために、ふらっと立ち寄る」方はいません。皆さん、この日は映画を見る、と計画し、スケジュール調整し仕事や家事を片付けてわざわざ来て下さる映画ファンばかりです。ですから当然ながら携帯電話の電源は切って下さいますし、上映中の私語や物音も極力慎んでいらっしゃいます。それは映画に限らず、他人と芸術を共有する場合の最低限の決まり事です。でも芝居やコンサートを観に行くと、必ず無神経な音を出したり携帯の画面を光らせたりする方がいます。そういう方は多分プライオリティーが「そこ」にはないのでしょう。だったら来ないで下さいと言いたくなりますね。ひとつの素晴らしい芸術を他人と一緒に味わう、という歓びは、マナーを守るという思いやりがあってこその感動だと私は思います。



2009/06/25 UP