<心を揺さぶる上映会>FROM EAST
〜協力〜
fromEast
長野県塩尻市大門4-4-8
Tel:0263-52-0515
〜執筆者紹介〜
映画コラムニストの合木こずえです。
映画館で生まれ育ち、役者を目指して 進学し、 結局映画の仕事に戻ったはぐれ者です。
生まれた時からスク リーンの前にいるので、 数限りなく観た映画のシーンが常に頭を駆け巡り、 現実の中にそれを求めて落胆ばかりしています。

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FROM EASTは、
1995年に一旦東京を引き揚げて来たときに作った上映会です。
フランス映画やイギリス映画が大好きなので、
渋谷のBunkamuraル・シネマや銀座のシネ・スイッチ、
日比谷のシャンテ・シネなどで上映される作品を選定して、
日本映画の秀作も織り交ぜ、毎月1本〜2本、
1週間または2週間と限定して上映しています。
「扉をたたく人」1時間44分
8/8(土) から14日(金)まで 毎日11:30と20:30

妻に先立たれ、人生に覇気を無くした大学教授は、毎日を"昨日と同じ繰り返し"で過ごしていた。そんな彼が出張先のニューヨークで、アフリカン・ドラム=ジャンベを奏でる青年と出会う。太鼓を叩く。ただそれだけの行為によって体のリズムが甦り、生きることに前向きになった教授は、やがて青年が不法滞在者であることを知り、複雑な青年の事情に関わることになる。人間は母親の胎内にいる時から心音を聴きながら育つ。だから誰もがリズム感を備えているのだと思う。リズムが体中をかけめぐると思考がポジティブになり、明日への一歩を踏み出したくなる。
扉をたたく人

リチャード・ジェンキンスの名演によって、教授の好奇心と心情が手に取るようにわかってくるのだが、次第に心を開いてゆく人の変化を見るのは本当に楽しい。
後半で描かれる難題は厄介だが、ふつふつと希望が湧いて来るラストに感激。
ジェンキンスはアカデミー賞主演男優賞にノミネートされて当然だろう。
彼の人間臭い演技、自然なセリフ回しが脳裏に染み込んでゆく。
扉をたたく人
「扉をたたく人」1時間44分
8/8(土) から14日(金)まで 毎日11:30と20:30
アイコン/ 監督:トム・マッカーシー
料金:当日(大人)\1,700 前売券\1,300
(電話予約受付中) 0263-52-0515
於:塩尻・東座(駐車場完備)


〜映画の見方メモ〜
 私の上映会には「通りすがりに時間つぶしのために、ふらっと立ち寄る」方はいません。皆さん、この日は映画を見る、と計画し、スケジュール調整し仕事や家事を片付けてわざわざ来て下さる映画ファンばかりです。ですから当然ながら携帯電話の電源は切って下さいますし、上映中の私語や物音も極力慎んでいらっしゃいます。それは映画に限らず、他人と芸術を共有する場合の最低限の決まり事です。でも芝居やコンサートを観に行くと、必ず無神経な音を出したり携帯の画面を光らせたりする方がいます。そういう方は多分プライオリティーが「そこ」にはないのでしょう。だったら来ないで下さいと言いたくなりますね。ひとつの素晴らしい芸術を他人と一緒に味わう、という歓びは、マナーを守るという思いやりがあってこその感動だと私は思います。



2009/07/24 UP