<心を揺さぶる上映会>FROM EAST
〜協力〜
fromEast
長野県塩尻市大門4-4-8
Tel:0263-52-0515
〜執筆者紹介〜
映画コラムニストの合木こずえです。
映画館で生まれ育ち、役者を目指して 進学し、 結局映画の仕事に戻ったはぐれ者です。
生まれた時からスク リーンの前にいるので、 数限りなく観た映画のシーンが常に頭を駆け巡り、 現実の中にそれを求めて落胆ばかりしています。

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FROM EASTは、
1995年に一旦東京を引き揚げて来たときに作った上映会です。
フランス映画やイギリス映画が大好きなので、
渋谷のBunkamuraル・シネマや銀座のシネ・スイッチ、
日比谷のシャンテ・シネなどで上映される作品を選定して、
日本映画の秀作も織り交ぜ、毎月1本〜2本、
1週間または2週間と限定して上映しています。
「ラースとその彼女」1時間46分
9月19日(土)〜25日(金) まで 毎日11:30と20:30
ラースとその彼女

舞台はアメリカ中西部の小さな町。引っ込み思案な青年ラースは、同じ敷地内に住む兄夫婦の心配をよそに、人とのコミュニケーションがうまく取れず、ガールフレンドもできないまま孤独な生活を送っている。そんなある日、ラースは「ガールフレンドを招待した」と兄夫婦に告げる。
ところがラースが連れて来たのは、ネットで取り寄せた実寸代のリアルドール。
精神科の先生は「彼のすることを受け入れてあげて」と言う。やがて町中の人々が"彼女"の存在を認め、ラースともども心の交流をはかるようになる。
ラースとその彼女

ラースを見守る兄夫婦のまなざしが温かい。特に義姉の慈愛に満ちた心遣いが画面の空気をやわらげる。演ずるエミリー・モーティマーの自然な演技が惹き付ける。まさかリアルドールが、ここまで町の人々を動かすなんて、と半信半疑で観ていた方も、いつのまにか"彼女"の存在の大きさに魅せられてしまうことだろう。町の人々のひとの良さと純粋さに遠い昔の近所づきあいを思い出す。コミュニケーションをとるのは、そんなに難しいことではない。少しだけ勇気を出して、こっち側からあっち側へポーンと足を伸ばせば良いだけなのだ。
ラースとその彼女

「ラースとその彼女」1時間46分
9月19日(土)〜25日(金) まで 毎日11:30と20:30
アメリカ/ 監督:クレイグ・ギレスピー
料金:当日(大人)\1,700 前売券\1,300
(電話予約受付中) 0263-52-0515
於:塩尻・東座(駐車場完備)


〜映画の見方メモ〜
 私の上映会には「通りすがりに時間つぶしのために、ふらっと立ち寄る」方はいません。皆さん、この日は映画を見る、と計画し、スケジュール調整し仕事や家事を片付けてわざわざ来て下さる映画ファンばかりです。ですから当然ながら携帯電話の電源は切って下さいますし、上映中の私語や物音も極力慎んでいらっしゃいます。それは映画に限らず、他人と芸術を共有する場合の最低限の決まり事です。でも芝居やコンサートを観に行くと、必ず無神経な音を出したり携帯の画面を光らせたりする方がいます。そういう方は多分プライオリティーが「そこ」にはないのでしょう。だったら来ないで下さいと言いたくなりますね。ひとつの素晴らしい芸術を他人と一緒に味わう、という歓びは、マナーを守るという思いやりがあってこその感動だと私は思います。



2009/08/24 UP