<心を揺さぶる上映会>FROM EAST
〜協力〜
fromEast
長野県塩尻市大門4-4-8
Tel:0263-52-0515
〜執筆者紹介〜
映画コラムニストの合木こずえです。
映画館で生まれ育ち、役者を目指して 進学し、 結局映画の仕事に戻ったはぐれ者です。
生まれた時からスク リーンの前にいるので、 数限りなく観た映画のシーンが常に頭を駆け巡り、 現実の中にそれを求めて落胆ばかりしています。

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FROM EASTは、
1995年に一旦東京を引き揚げて来たときに作った上映会です。
フランス映画やイギリス映画が大好きなので、
渋谷のBunkamuraル・シネマや銀座のシネ・スイッチ、
日比谷のシャンテ・シネなどで上映される作品を選定して、
日本映画の秀作も織り交ぜ、毎月1本〜2本、
1週間または2週間と限定して上映しています。
「「湖のほとりで」LA RAGAZZA DEL LAGO」1時間35分
12/19(土)から25(金) 毎日 11:30/20:30
ノルウェー出身の"ミステリーの女王" カリン・フォッスムの原作を、ナンニ・モレッティの弟子、アンドレア・モライヨーリが映画化。
イタリアのアカデミー賞「ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞」の10部門を独占する快挙を成し遂げた秀作である。
「湖のほとりで」LA RAGAZZA DEL LAGO
北イタリアの、のどかな村にある湖のほとりで、美しい少女アンナの死体が見つかった。
この村に赴任したばかりの刑事は、さっそく事件の捜査に入る。
いつも明るく元気な彼女に一体何が起こっていたのか。アンナと親しかった村人たちの供述から、次第に彼女の素顔が浮き彫りになり、同時に人々の家庭の事情も明らかになってゆく。

障害を持つ子どもに素直な愛情表現ができない親、子どものすべてを把握していると思い込んでいる親、両親に不満を抱き続ける思春期の子ども......。
いびつな家庭を垣間見ることなる刑事もまた、若年性認知症に冒された 妻を抱え、日々闘っていた。
「湖のほとりで」LA RAGAZZA DEL LAGO
たとえ家族でも夫婦でも、誰にも言えない秘密は持っている。だがそれは相手を思いやるからこその隠し事だ。物語は、サスペンスとして、一流の役者を配し、アンナの死にまつわる謎を追いかけてゆくが、犯人は誰かということより、人々の心に潜む秘密や闇の部分を知ることの方が興味深い。それは決して遠い外国の物語ではなく、われわれの身近にある切実な事情であり、こうして外から見つめ直して心に留め置くべきテーマだと思う。
「湖のほとりで」LA RAGAZZA DEL LAGO


「「湖のほとりで」LA RAGAZZA DEL LAGO」1時間35分
12/19(土)から25(金) 毎日 11:30/20:30
イタリア/ 監督:アンドレア・モライヨーリ
料金:当日(大人)\1,700 前売券\1,300
(電話予約受付中) 0263-52-0515
於:塩尻・東座(駐車場完備)


〜映画の見方メモ〜
 私の上映会には「通りすがりに時間つぶしのために、ふらっと立ち寄る」方はいません。皆さん、この日は映画を見る、と計画し、スケジュール調整し仕事や家事を片付けてわざわざ来て下さる映画ファンばかりです。ですから当然ながら携帯電話の電源は切って下さいますし、上映中の私語や物音も極力慎んでいらっしゃいます。それは映画に限らず、他人と芸術を共有する場合の最低限の決まり事です。でも芝居やコンサートを観に行くと、必ず無神経な音を出したり携帯の画面を光らせたりする方がいます。そういう方は多分プライオリティーが「そこ」にはないのでしょう。だったら来ないで下さいと言いたくなりますね。ひとつの素晴らしい芸術を他人と一緒に味わう、という歓びは、マナーを守るという思いやりがあってこその感動だと私は思います。



2009/12/02 UP