<心を揺さぶる上映会>FROM EAST
〜協力〜
fromEast
長野県塩尻市大門4-4-8
Tel:0263-52-0515
〜執筆者紹介〜
映画コラムニストの合木こずえです。
映画館で生まれ育ち、役者を目指して 進学し、 結局映画の仕事に戻ったはぐれ者です。
生まれた時からスク リーンの前にいるので、 数限りなく観た映画のシーンが常に頭を駆け巡り、 現実の中にそれを求めて落胆ばかりしています。

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FROM EASTは、
1995年に一旦東京を引き揚げて来たときに作った上映会です。
フランス映画やイギリス映画が大好きなので、
渋谷のBunkamuraル・シネマや銀座のシネ・スイッチ、
日比谷のシャンテ・シネなどで上映される作品を選定して、
日本映画の秀作も織り交ぜ、毎月1本〜2本、
1週間または2週間と限定して上映しています。
「クリーン」111分
2/20(土)から26(金) 毎日 10:30/20:30
子どもの母親であることより、ひとりの女としての自分を選んだヒロインの絶望と再生を描いた物語。ヒロイン、エミリーに扮したマギー・チャンは、カンヌ国際映画祭で主演女優賞を受賞した。監督は元夫でもあるオリヴィエ・アサイヤス。

ロックスターの男と結婚し、子どもを夫の実家に預けてツアーに同行したエミリーは、自分も歌手の夢を捨てきれずにいた。ところが夫がドラックの過剰摂取で他界し、エミリーも薬物所持の罪で投獄される。出所後、エミリーの望みはかわいい我が子だけ。
しかし息子は、父親を死に追いやった母親が赦せない、絶対に会いたく ないと拒絶する。彼女を救おうと手を差し伸べるのは、義父(ニック・ノルティ)だけだった。
クリーン


息子に会うために、懸命に生活を立て直そうとするエミリーの、胸の内はよくわかる。世間の冷たい視線にヤル気をなくし、ふてくされる気持ちもわかる。その傷心の表情をキャメラは一瞬たりとも見逃さない。われわれ観客は、特に女性たちは、痛々しいまでに現実と闘う彼女に寄り添いながら、胸を焦がして成り行きを追うことだろう。

苦労を重ね、がむしゃらに生きながら、次第にクリーンになってゆくエミリーに拍手を送りたい。

「クリーン」111分
2/20(土)から26(金) 毎日 10:30/20:30
フランス/イギリス/カナダ 監督:オリヴィエ・アサイヤス
料金:当日(大人)\1,700 前売券\1,300
(電話予約受付中) 0263-52-0515
於:塩尻・東座(駐車場完備)


〜映画の見方メモ〜
 私の上映会には「通りすがりに時間つぶしのために、ふらっと立ち寄る」方はいません。皆さん、この日は映画を見る、と計画し、スケジュール調整し仕事や家事を片付けてわざわざ来て下さる映画ファンばかりです。ですから当然ながら携帯電話の電源は切って下さいますし、上映中の私語や物音も極力慎んでいらっしゃいます。それは映画に限らず、他人と芸術を共有する場合の最低限の決まり事です。でも芝居やコンサートを観に行くと、必ず無神経な音を出したり携帯の画面を光らせたりする方がいます。そういう方は多分プライオリティーが「そこ」にはないのでしょう。だったら来ないで下さいと言いたくなりますね。ひとつの素晴らしい芸術を他人と一緒に味わう、という歓びは、マナーを守るという思いやりがあってこその感動だと私は思います。



2010/02/20 UP