<心を揺さぶる上映会>FROM EAST
〜協力〜
fromEast
長野県塩尻市大門4-4-8
Tel:0263-52-0515
〜執筆者紹介〜
映画コラムニストの合木こずえです。
映画館で生まれ育ち、役者を目指して 進学し、 結局映画の仕事に戻ったはぐれ者です。
生まれた時からスク リーンの前にいるので、 数限りなく観た映画のシーンが常に頭を駆け巡り、 現実の中にそれを求めて落胆ばかりしています。

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FROM EASTは、
1995年に一旦東京を引き揚げて来たときに作った上映会です。
フランス映画やイギリス映画が大好きなので、
渋谷のBunkamuraル・シネマや銀座のシネ・スイッチ、
日比谷のシャンテ・シネなどで上映される作品を選定して、
日本映画の秀作も織り交ぜ、毎月1本〜2本、
1週間または2週間と限定して上映しています。
「瞳の奥の秘密」129分
11月20日から26日
10:30/20:30


本年度のアカデミー賞で、最優秀外国語映画賞を受賞したアルゼンチンの秀作。
瞳の奥の秘密

長年勤めた刑事裁判所を定年退職したベンハミンは、心の整理をつけるために、25年前の殺人事件を小説化しようと動き出す。それは、ある新婚の妻が何者かに殺され、犯人逮捕にこぎつけながら、なぜか犯人は釈放されるという腑に落ちない事件だった。この事件を担当していたベンハミンは、当時、昼夜を問わず真犯人を追求する銀行員の夫の深い愛情に突き動かされ事件を追っていた。25年前の疑惑を胸にベンハミンは思い出のタイプライターを打ち始める。それは、悔やんでも悔やみきれない自身の恋愛感情を掘り起こすことでもあった。
未解決事件と、秘めたる恋が交差してベンハミンの人生が少しずつ明らかになるに連れ、サスペンスの高揚は緊張を帯び、同時にたまらなく切ない感情が観る者の胸に押し寄せてくる。
秀逸な脚本に散りばめられた優れた伏線が、アルゼンチンを代表する名優たちの熟練の演技によって、ひも解かれてゆく。そのひとつひとつを目の当たりにしながら、我々は膝を打つ思いで、この素晴らしい作品にのめり込んでゆく。

瞳の奥の秘密
観終わって数日経っても、脳裏にこびりついたセリフや映像が興奮を駆り立てる見事な作品だ。



「瞳の奥の秘密」129分
11月20日から26日
10:30/20:30
スペイン/アルゼンチン 監督:フアン・ホセ・カンパネラ
料金:当日(大人)\1,700 前売券\1,300
(電話予約受付中) 0263-52-0515
於:塩尻・東座(駐車場完備)


〜映画の見方メモ〜
 私の上映会には「通りすがりに時間つぶしのために、ふらっと立ち寄る」方はいません。皆さん、この日は映画を見る、と計画し、スケジュール調整し仕事や家事を片付けてわざわざ来て下さる映画ファンばかりです。ですから当然ながら携帯電話の電源は切って下さいますし、上映中の私語や物音も極力慎んでいらっしゃいます。それは映画に限らず、他人と芸術を共有する場合の最低限の決まり事です。でも芝居やコンサートを観に行くと、必ず無神経な音を出したり携帯の画面を光らせたりする方がいます。そういう方は多分プライオリティーが「そこ」にはないのでしょう。だったら来ないで下さいと言いたくなりますね。ひとつの素晴らしい芸術を他人と一緒に味わう、という歓びは、マナーを守るという思いやりがあってこその感動だと私は思います。



2010/11/08 UP