<心を揺さぶる上映会>FROM EAST
〜協力〜
fromEast
長野県塩尻市大門4-4-8
Tel:0263-52-0515
〜執筆者紹介〜
映画コラムニストの合木こずえです。
映画館で生まれ育ち、役者を目指して 進学し、 結局映画の仕事に戻ったはぐれ者です。
生まれた時からスク リーンの前にいるので、 数限りなく観た映画のシーンが常に頭を駆け巡り、 現実の中にそれを求めて落胆ばかりしています。

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FROM EASTは、
1995年に一旦東京を引き揚げて来たときに作った上映会です。
フランス映画やイギリス映画が大好きなので、
渋谷のBunkamuraル・シネマや銀座のシネ・スイッチ、
日比谷のシャンテ・シネなどで上映される作品を選定して、
日本映画の秀作も織り交ぜ、毎月1本〜2本、
1週間または2週間と限定して上映しています。
小さな村の小さなダンサー MAO’S LAST DANCER 1時間57分
1月8日から14日まで
毎日10時と20時30分
料金-当日券(大人)1,700円

中国からアメリカへ亡命し、ヒューストン・バレエ団のプリンシパルになったダンサー、リー・ツンシンの自伝を、オーストラリアの俊英たちが映画化した。監督は「ドライビングMissディジー」の巨匠ブルース・ベレスフォード。脚本は「シャイン」「きみに読む物語」のジャン・サーディ。
小さな村の小さなダンサー MAO’S LAST DANCER
1961年、山東省の小さな村で生まれたリーは、家は貧しくとも両親の厚い愛情を受け、6人兄弟にもまれながら気丈に育った。リーが11歳になったある日、学校に北京の視察団がやってくる。毛沢東夫人で元女優の江青が、政治的な文化対策として、バレエの神童を集めていたのだ。そこでリーが選ばれ、毛沢東のためと、泣く泣く北京の舞踏学校へ入れられる。途端に厳しいレッスンが始まるが、バレエに興味のないリーは早くも落ちこぼれ組に。見かねた担任教師は、彼にバリニシコフのビデオを見せる。その日からリーは打って変わってレッスンに集中するようになる。跳躍、回転と血のにじむような努力の結果、彼に渡米のチャンスが舞い込んできた。
小さな村の小さなダンサー MAO’S LAST DANCER
リーの青年時代を演ずるのは、オーストラリア・バレエ団のグオ・チャンウ。堂々とした動きと落ち着いた目線で稽古する姿は、機械体操のアスリートを見ているようで実に爽快だ。そこからさらに成長し、大人になってからのリーを演じているのは、英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団のプリンシパル、ツァオ・チー。リー同様、北京舞踏学校で教育を受けた後15歳で渡英し古典バレエを得意とするバレエ界のスターに上り詰めた。劇中披露する「白鳥の湖」「ジゼル」「春の祭典」のステージは圧巻。言葉にならない迫力のダンスは流麗でいて逞しく、内側からほとばしる楽曲のテーマをストレートに表現して観客を釘付けにする。新春にふさわしい華やかな秀作だ。 小さな村の小さなダンサー MAO’S LAST DANCER
小さな村の小さなダンサー MAO’S LAST DANCER



小さな村の小さなダンサー MAO’S LAST DANCER 1時間57分
1月8日から14日まで
毎日10時と20時30分
オーストラリア 監督:ブルース・ベレスフォード
料金:当日(大人)\1,700 前売券\1,300
(電話予約受付中) 0263-52-0515
於:塩尻・東座(駐車場完備)


〜映画の見方メモ〜
 私の上映会には「通りすがりに時間つぶしのために、ふらっと立ち寄る」方はいません。皆さん、この日は映画を見る、と計画し、スケジュール調整し仕事や家事を片付けてわざわざ来て下さる映画ファンばかりです。ですから当然ながら携帯電話の電源は切って下さいますし、上映中の私語や物音も極力慎んでいらっしゃいます。それは映画に限らず、他人と芸術を共有する場合の最低限の決まり事です。でも芝居やコンサートを観に行くと、必ず無神経な音を出したり携帯の画面を光らせたりする方がいます。そういう方は多分プライオリティーが「そこ」にはないのでしょう。だったら来ないで下さいと言いたくなりますね。ひとつの素晴らしい芸術を他人と一緒に味わう、という歓びは、マナーを守るという思いやりがあってこその感動だと私は思います。



2010/12/26 UP