<心を揺さぶる上映会>FROM EAST
〜協力〜
fromEast
長野県塩尻市大門4-4-8
Tel:0263-52-0515
〜執筆者紹介〜
映画コラムニストの合木こずえです。
映画館で生まれ育ち、役者を目指して 進学し、 結局映画の仕事に戻ったはぐれ者です。
生まれた時からスク リーンの前にいるので、 数限りなく観た映画のシーンが常に頭を駆け巡り、 現実の中にそれを求めて落胆ばかりしています。

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FROM EASTは、
1995年に一旦東京を引き揚げて来たときに作った上映会です。
フランス映画やイギリス映画が大好きなので、
渋谷のBunkamuraル・シネマや銀座のシネ・スイッチ、
日比谷のシャンテ・シネなどで上映される作品を選定して、
日本映画の秀作も織り交ぜ、毎月1本〜2本、
1週間または2週間と限定して上映しています。
クレアモントホテル 1時間48分
4月30日から5月13日まで
4月30日、5月1日 朝8:30と夜8:30
5月2日〜5月6日 夜8:30のみ
5月7日,5月8日 朝8:30と夜8:30
5月9日〜5月13日 朝10:00と夜8:30

アメリカ+イギリス映画 監督:ダン・アイアランド
料金-当日券(大人)1,700円

クレアモントホテル
原作は20世紀の半ばにイギリスで活躍した作家、エリザベス・テイラー(先日亡くなった女優と同姓同名だが無関係)の同名小説。震災以来、灯りが乏しくなった心を、ぽっと照らすだけでなく、忘れていたときめきを思い出させる温かい作品だ。
クレアモントホテル
ヒロインの老婦人、サラは、最愛の夫に先立たれ、悲しみに暮れながら、自立しようと決意する。妻でも母でもなく、ひとりの女性として生きてみたい。数日後、彼女は新聞で探したロンドンの”クレアモントホテル”の前に降り立った。そこは長期滞在者を受け入れる小さなホテルだ。新参者のサラは、最初、滞在客の好奇の目に戸惑うが、同じように孤独を抱えた彼らと次第に打ち解けてゆく。そんなある日、サラは通りで転倒し美しい若者に助けられる。小説家志望という若者は、おだやかで優しく、貧しくても品の良い好青年だった。彼女はお礼に彼をディナーに招待する。その話を聞いた滞在客たちは、相手がサラの孫だと思い込み、青年はそのまま孫のふりをする。喜劇的要素もたっぷり含んだ物語は、人生の秋を迎えた女性の丁寧な生き方を、爽やかに映し出し、さざ波を立てながら、たおやかに、ほのぼのと収束に向かう。
クレアモントホテル
晩秋のロンドンを彩る木々の葉や情緒あふれる古い街並みが、静かに心を癒し、その背景にも増して美しい青年の、屈託のない笑顔に我々女性は甘いときめきを思い出す。サラを演じているのは、亡きローレンス・オリヴィエ夫人でデイムの称号を持つジョーン・プロウライト。青年には注目の二枚目俳優ルパート・フレンド。祖母と孫ほど歳の離れた二人の友情、孤独な人々の凛々しき人生...陽だまりの心地よさを味わいながら、いつまでもこの世界に浸っていたいと思う。
こうして私たちは、映画で心癒されて新たなエネルギーを蓄える。映画の優しい力に感謝したい。


クレアモントホテル 1時間48分
4月30日から5月13日まで
4月30日、5月1日 朝8:30と夜8:30
5月2日〜5月6日 夜8:30のみ
5月7日,5月8日 朝8:30と夜8:30
5月9日〜5月13日 朝10:00と夜8:30

アメリカ+イギリス映画 監督:ダン・アイアランド
料金:当日(大人)\1,700 前売券\1,300
(電話予約受付中) 0263-52-0515
於:塩尻・東座(駐車場完備)


〜映画の見方メモ〜
 私の上映会には「通りすがりに時間つぶしのために、ふらっと立ち寄る」方はいません。皆さん、この日は映画を見る、と計画し、スケジュール調整し仕事や家事を片付けてわざわざ来て下さる映画ファンばかりです。ですから当然ながら携帯電話の電源は切って下さいますし、上映中の私語や物音も極力慎んでいらっしゃいます。それは映画に限らず、他人と芸術を共有する場合の最低限の決まり事です。でも芝居やコンサートを観に行くと、必ず無神経な音を出したり携帯の画面を光らせたりする方がいます。そういう方は多分プライオリティーが「そこ」にはないのでしょう。だったら来ないで下さいと言いたくなりますね。ひとつの素晴らしい芸術を他人と一緒に味わう、という歓びは、マナーを守るという思いやりがあってこその感動だと私は思います。



2011/04/22 UP