〜執筆者紹介〜
映画コラムニストの合木こずえです。
映画館で生まれ育ち、役者を目指して 進学し、 結局映画の仕事に戻ったはぐれ者です。 生まれた時からスク リーンの前にいるので、 数限りなく観た映画のシーンが常に頭を駆け巡り、 現実の中にそれを求めて落胆ばかりしています。 |
FROM EASTは、
1995年に一旦東京を引き揚げて来たときに作った上映会です。 フランス映画やイギリス映画が大好きなので、 渋谷のBunkamuraル・シネマや銀座のシネ・スイッチ、 日比谷のシャンテ・シネなどで上映される作品を選定して、 日本映画の秀作も織り交ぜ、毎月1本〜2本、 1週間または2週間と限定して上映しています。 6月18日から6月24日 毎10時と20時30分 18日のみ※8時、10時、20時30分(1日3回上映) 英・仏・独合作映画 監督:スティーヴン・フリアーズ 料金:当日券(一般)¥1,700 前売券¥1,300(電話予約可) ※8時の回のみ一律¥1,000 20世紀最高の人気作家コレットの「シェリ」を「クイーン」でオスカーを受賞したスティーブン・フリアーズ監督が映画化。ココット(高級娼婦)を引退したレアの潔い人生と恋を描く。 ミシェル・ファイファー扮するレアはその代表格だ。彼女は引退して優雅な暮らしを始めたところへ、元同業の友人から放蕩息子の教育係を頼まれる。二回り以上年下の彼に、レアはシェリ(可愛い人)というあだ名をつけ、一人前の男にするため自分の家に住まわせる。ところが二人は恋に落ち、たった数週間のつもりが、6年も一緒に暮らすことになる。そこへ舞い込んだシェリの結婚話。その裏には友人の野望と女の業がうごめいていた。キャシー・ベイツふんする友人とレアの、粋なセリフの応酬が楽しい。酸いも甘いも噛み分けた元ココット同士、互いの腹をさぐり合いながらの苦言や、遠回しな助言は、現代女性があこがれる大人の会話だ。そして嫉妬が絡む友人の仕打ちにも、毅然と対応するレアの、凛々しい姿に惚れ惚れする。恋情にひたりつつ感情を制御し決して生き方を変えない彼女にあやかりたいと思う女性は多いことだろう。 わたしの可愛い人シェリ CHERI 6月18日から6月24日 毎10時と20時30分 18日のみ※8時、10時、20時30分(1日3回上映) 英・仏・独合作映画 監督:スティーヴン・フリアーズ 料金:当日券(一般)¥1,700 前売券¥1,300(電話予約可) ※8時の回のみ一律¥1,000 (電話予約受付中) 0263-52-0515 於:塩尻・東座(駐車場完備)
〜映画の見方メモ〜
私の上映会には「通りすがりに時間つぶしのために、ふらっと立ち寄る」方はいません。皆さん、この日は映画を見る、と計画し、スケジュール調整し仕事や家事を片付けてわざわざ来て下さる映画ファンばかりです。ですから当然ながら携帯電話の電源は切って下さいますし、上映中の私語や物音も極力慎んでいらっしゃいます。それは映画に限らず、他人と芸術を共有する場合の最低限の決まり事です。でも芝居やコンサートを観に行くと、必ず無神経な音を出したり携帯の画面を光らせたりする方がいます。そういう方は多分プライオリティーが「そこ」にはないのでしょう。だったら来ないで下さいと言いたくなりますね。ひとつの素晴らしい芸術を他人と一緒に味わう、という歓びは、マナーを守るという思いやりがあってこその感動だと私は思います。
2011/06/09 UP
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