〜執筆者紹介〜
映画コラムニストの合木こずえです。
映画館で生まれ育ち、役者を目指して 進学し、 結局映画の仕事に戻ったはぐれ者です。 生まれた時からスク リーンの前にいるので、 数限りなく観た映画のシーンが常に頭を駆け巡り、 現実の中にそれを求めて落胆ばかりしています。 |
FROM EASTは、
1995年に一旦東京を引き揚げて来たときに作った上映会です。 フランス映画やイギリス映画が大好きなので、 渋谷のBunkamuraル・シネマや銀座のシネ・スイッチ、 日比谷のシャンテ・シネなどで上映される作品を選定して、 日本映画の秀作も織り交ぜ、毎月1本〜2本、 1週間または2週間と限定して上映しています。 8月20日から26日 土日→8:00/10:30/20:30 平日→10:00/20:30 ポーランド映画 監督:イェジ・アントチャク 料金:当日券(一般)¥1,700 前売券¥1,300(電話予約可) ※8時の回のみ一律¥1,000 ショパン生誕200年を記念して祖国ポーランドが製作した音楽映画。 わずか39年の生涯を駆け抜けたショパンの愛と情熱の日々を描く。二十代前半、作曲家としての名声を手にしつつあったショパンは、パリでは認められず落胆するが、リストが彼のエチュードを披露したことから貴族たちの注目を浴びる。まもなく彼はリストからフランス最大の作家と称されるジョルジュ・サンドを紹介され、やがて二人は恋に落ちる。持病に悩むショパンの療養を兼ねて、サンドは彼をマヨルカ島に連れて行く。しかしサンドの子どもたちは、母親の新しい恋に否定的だった。病状の悪化と愛の束縛、子どもたちの複雑な心理に振り回されつつ、ショパンは以前と異なる激しく壮大な旋律を生み出してゆく。 監督はポーランドの巨匠イェジ・アントチャク。ショパンの心境の変化や心の成長を余すところなく表現するため、選曲に2年の月日を費やしたという。全編に流れるその名曲を演奏するのは、世界最高のチェリスト、ヨーヨー・マ、ショパン解釈においては他の追随を許さない横山幸雄、『戦場のピアニスト』の演奏で知られるヤーヌシュ・オレイニチャクという豪華な面々。さらに監督は、ショパンとサンドの9年にわたる恋の日々をリアルに映し出すため、若きショパンが音楽の研鑽に励んだワルシャワをはじめ、療養に訪れたスペイン・マヨルカ島、サンドと同棲したフランス・ノアンなど、ショパンが暮らした地での大規模な撮影を実現させた。 年上のサンドに母の面影を見出し、愛と哀しみの旋律を次々生み出したショパン。その軌跡を名演奏の中でじっくり確かめて戴きたい。 ショパン 愛と哀しみの旋律8月20日から26日 土日→8:00/10:30/20:30 平日→10:00/20:30 ポーランド映画 監督:イェジ・アントチャク 料金:当日券(一般)¥1,700 前売券¥1,300(電話予約可) ※8時の回のみ一律¥1,000 (電話予約受付中) 0263-52-0515 於:塩尻・東座(駐車場完備)
〜映画の見方メモ〜
私の上映会には「通りすがりに時間つぶしのために、ふらっと立ち寄る」方はいません。皆さん、この日は映画を見る、と計画し、スケジュール調整し仕事や家事を片付けてわざわざ来て下さる映画ファンばかりです。ですから当然ながら携帯電話の電源は切って下さいますし、上映中の私語や物音も極力慎んでいらっしゃいます。それは映画に限らず、他人と芸術を共有する場合の最低限の決まり事です。でも芝居やコンサートを観に行くと、必ず無神経な音を出したり携帯の画面を光らせたりする方がいます。そういう方は多分プライオリティーが「そこ」にはないのでしょう。だったら来ないで下さいと言いたくなりますね。ひとつの素晴らしい芸術を他人と一緒に味わう、という歓びは、マナーを守るという思いやりがあってこその感動だと私は思います。
2011/08/18 UP
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