<心を揺さぶる上映会>FROM EAST

~協力~

fromEast

長野県塩尻市大門4-4-8
TEL:0263-52-0515

~執筆者紹介~

映画コラムニストの合木こずえです。
映画館で生まれ育ち、役者を目指して 進学し、 結局映画の仕事に戻ったはぐれ者です。
生まれた時からスク リーンの前にいるので、 数限りなく観た映画のシーンが常に頭を駆け巡り、 現実の中にそれを求めて落胆ばかりしています。

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FROM EASTは、
1995年に一旦東京を引き揚げて来たときに作った上映会です。
フランス映画やイギリス映画が大好きなので、
渋谷のBunkamuraル・シネマや銀座のシネ・スイッチ、
日比谷のシャンテ・シネなどで上映される作品を選定して、
日本映画の秀作も織り交ぜ、毎月1本~2本、
1週間または2週間と限定して上映しています。

「蜂蜜」 原題:BAL

10月15日(土)から10月21日(金)
土日は8:00/10:30/20:30 平日は10:00/20:30
料金 当日券(大人)1,700円 前売券1,300円(電話予約可能)
※8:00の回は一律1,000円

トルコ映画 監督:セミフ・カプランオール
1時間43分

少年の名はユスフ。森に囲まれた山岳で両親と暮らす彼は、養蜂家の父親と過ごす時間が大好きだった。男同士、秘密の約束をささやき合ったり、苦手な牛乳をこっそり飲んでもらったり、6歳のユスフは父を慕い、学校では吃音になる詩の朗読も父の前では詰まらずに話せた。そんなある日、森の蜂が突然いなくなり、父親は遠い森に出かけることになる。ついて行くと言うユスフに父は言う、「家は誰が守るんだ」。そして父は旅立つが、その日からユスフは言葉をなくしてしまう。

蜂蜜

大自然に抱かれたユスフの生活を瑞々しく映し出し、BGMのない「生の音」が五感を刺激する。 風のうねり、鳥のさえずり、枝のきしみ、渓流の水音、蜂の羽音。木々の隙間に差し込む陽射しに目を細めながら、深い森の中で落ち葉を踏みしめているような錯覚さえ起こす。そんな臨場感に心を洗われ、幼気なユスフの大きな気がかりに胸を痛める。ひとつは授業中の朗読。うまく読めた子に与えられるバッジが欲しくて、ユスフはおそるおそる人差し指を挙げる。しかしどうしても吃音になってしまう。ガラス鉢の中にバッジはまだあるか気が気でない彼の、心細い眼差しが切ない。もうひとつは消息のない父親と、心配する母親の悲しみ。日に日に落ち込む母を励まそうと嫌いな牛乳を飲んでみせる彼の、健気さが愛おしく、母を守ろうと気丈に振る舞う成長ぶりに胸が震える。

蜂蜜

監督のセミフ・カプランオールは、思春期に観た小津安二郎の『父ありき』に影響を受けたという。清々しい後味とともに深呼吸を一回。森林浴で心身ともに生まれ変わったような気がする。ベルリン国際映画祭金熊賞、アカデミー賞外国語映画賞トルコ代表作品。

蜂蜜

10月15日(土)から10月21日(金)
土日は8:00/10:30/20:30 平日は10:00/20:30
料金 当日券(大人)1,700円 前売券1,300円(電話予約可能)
※8:00の回は一律1,000円

(電話予約受付中) 0263-52-0515
於:塩尻・東座(駐車場完備)

トルコ映画 監督:セミフ・カプランオール
1時間43分

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2011/10/17 UP

~映画の見方メモ~

私の上映会には「通りすがりに時間つぶしのために、ふらっと立ち寄る」方はいません。皆さん、この日は映画を見る、と計画し、スケジュール調整し仕事や家事を片付けてわざわざ来て下さる映画ファンばかりです。ですから当然ながら携帯電話の電源は切って下さいますし、上映中の私語や物音も極力慎んでいらっしゃいます。それは映画に限らず、他人と芸術を共有する場合の最低限の決まり事です。でも芝居やコンサートを観に行くと、必ず無神経な音を出したり携帯の画面を光らせたりする方がいます。そういう方は多分プライオリティーが「そこ」にはないのでしょう。だったら来ないで下さいと言いたくなりますね。ひとつの素晴らしい芸術を他人と一緒に味わう、という歓びは、マナーを守るという思いやりがあってこその感動だと私は思います。

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