映画コラムニストの合木こずえです。
映画館で生まれ育ち、役者を目指して 進学し、
結局映画の仕事に戻ったはぐれ者です。
生まれた時からスク リーンの前にいるので、
数限りなく観た映画のシーンが常に頭を駆け巡り、
現実の中にそれを求めて落胆ばかりしています。
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FROM EASTは、
1995年に一旦東京を引き揚げて来たときに作った上映会です。
フランス映画やイギリス映画が大好きなので、
渋谷のBunkamuraル・シネマや銀座のシネ・スイッチ、
日比谷のシャンテ・シネなどで上映される作品を選定して、
日本映画の秀作も織り交ぜ、毎月1本~2本、
1週間または2週間と限定して上映しています。
オーストラリア作品/1時間34分
11月19日(土)~11月25日(金)
毎日10:00/20:30
料金 当日券¥1,700 前売券¥1,300(電話予約可能)
携帯やパソコンが跋扈する現代、「文通」という言葉はすでに死語になっているのかもしれない。だが、心を文字に託し温もりや香りまでも相手に届けられる手紙の魅力は、おそらく誰もが認めているのではないだろうか。これは国も年代も生活環境も異なる者同士の20年にも及ぶ文通の記録。一流のクレイ(粘土)アニメ作家アダム・エリオットが、自身の体験をもとに脚本を練り、製作に5年の歳月を費やした珠玉の物語だ。
オーストラリアに住む8歳のメアリーは、アルコール中毒の母親と変わった趣味を持つ父親の3人暮らし。両親の悪癖に影響されることなく素直に育っているが、容姿にコンプレックスを持ち空想ばかりしている孤独な少女だ。ある日彼女は遠い国の誰かさんに手紙を送ろうと思いつく。電話帳で無作為に決めた相手はニューヨークに住むマックス・ホロウィッツだった。突然手紙をもらった彼は44歳の独身男性で、肥満と社会にうまく馴染めない自分にコンプレックスを抱いていた。しかしチョコレートとともに届いたメアリーの手紙に心惹かれ、古いタイプライターの前に座る。 メアリーの幼い悩み、初恋、家庭のこと。マックスの心の病、隣人とのつきあいやドクターの助言。二人のちぐはぐなコミュニケーションは、やがて波長を合わせ、突然途切れ、紆余曲折を重ねて絆を深めてゆく。それぞれの人生を垣間見ながら、われわれはそこに自分自身の心の有様を重ねて戸惑う。しかし気がつけば穏やかな笑顔で二人を見守っているに違いない。深刻な問題も、個性的で愛らしいクレイ人形の表情と端的なセリフで笑って受け止めることができる。他人を思い遣る気持ちの真価や難しさ、人の心を計る術をしみじみ胸に刻みながら、二人の人生に拍手を送りたい。
オーストラリア作品/1時間34分
11月19日(土)~11月25日(金)
毎日10:00/20:30
料金 当日券¥1,700 前売券¥1,300(電話予約可能)
(電話予約受付中) 0263-52-0515
於:塩尻・東座(駐車場完備)
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2011/11/16 UP
私の上映会には「通りすがりに時間つぶしのために、ふらっと立ち寄る」方はいません。皆さん、この日は映画を見る、と計画し、スケジュール調整し仕事や家事を片付けてわざわざ来て下さる映画ファンばかりです。ですから当然ながら携帯電話の電源は切って下さいますし、上映中の私語や物音も極力慎んでいらっしゃいます。それは映画に限らず、他人と芸術を共有する場合の最低限の決まり事です。でも芝居やコンサートを観に行くと、必ず無神経な音を出したり携帯の画面を光らせたりする方がいます。そういう方は多分プライオリティーが「そこ」にはないのでしょう。だったら来ないで下さいと言いたくなりますね。ひとつの素晴らしい芸術を他人と一緒に味わう、という歓びは、マナーを守るという思いやりがあってこその感動だと私は思います。