映画コラムニストの合木こずえです。
映画館で生まれ育ち、役者を目指して 進学し、
結局映画の仕事に戻ったはぐれ者です。
生まれた時からスク リーンの前にいるので、
数限りなく観た映画のシーンが常に頭を駆け巡り、
現実の中にそれを求めて落胆ばかりしています。
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FROM EASTは、
1995年に一旦東京を引き揚げて来たときに作った上映会です。
フランス映画やイギリス映画が大好きなので、
渋谷のBunkamuraル・シネマや銀座のシネ・スイッチ、
日比谷のシャンテ・シネなどで上映される作品を選定して、
日本映画の秀作も織り交ぜ、毎月1本~2本、
1週間または2週間と限定して上映しています。
デンマーク・スウェーデン映画/1時間58分
11月26日(土)~12月9日(金)
毎日10:00/20:30
料金 当日券¥1,700 前売券¥1,300(電話予約可)
本年度アカデミー賞、ゴールデングローブ賞ともに最優秀外国語映画賞を受賞した傑作。人間同士の争いはなぜ起こるのか。われわれはどう生きるべきなのか。長閑なデンマークの町とアフリカの紛争地域を舞台に、気鋭の女性監督スサンネ・ビアが描く「赦し」と「復讐」。その狭間で揺れ動く二つの家族にスポットを当てながら、観る者に自身が抱える負の感情を分析させる。
学校でいじめにあっているエリアスの両親は医師だが、父アントンは、単身アフリカに赴き難民の治療に当たっている。アントンは時々デンマークに帰るが、一度の浮気がもとで妻とは別居中。それでもエリアスは父を慕っている。片やロンドンで母親を亡くしたばかりのクリスチャンは、父親の故郷デンマークに移住し祖母の家で暮らすことになる。病死した母親の最期に疑問を持つ彼は常に父親に反抗的だ。そんな二人が同じクラスになり、クリスチャンがエリアスをいじめるガキ大将に報復したことで親たちが学校に呼び出される。「報復にはきりがない」と諭す父にクリスチャンは「やり返さなきゃダメだ」と言い返す。数日後アントンは下の息子がよその子と喧嘩になっているのを見つけ割って入るが、いきなり現れた相手の子の父親に言葉もなく殴られる。やり返さないアントンを見て子どもたちは意気地なしだと苛立つ。「目には目を歯には歯を」では平和は生まれない。アントンはそれを身を持って息子に教えるが、彼もまたアフリカで正義感から意に反する行いをしてしまう。
子役二人を中心に、役者たちのリアルな演技に吸い込まれる。緊迫した画面に穏やかな風を送るのは静謐なデンマークの風景とアフリカの子どもたちが見せる輝く笑顔だ。未来を生きるすべての人に観てほしい。
デンマーク・スウェーデン映画/1時間58分
11月26日(土)~12月9日(金)
毎日10:00/20:30
料金 当日券¥1,700 前売券¥1,300(電話予約可)
(電話予約受付中) 0263-52-0515 於:塩尻・東座(駐車場完備)
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2011/11/28 UP
私の上映会には「通りすがりに時間つぶしのために、ふらっと立ち寄る」方はいません。皆さん、この日は映画を見る、と計画し、スケジュール調整し仕事や家事を片付けてわざわざ来て下さる映画ファンばかりです。ですから当然ながら携帯電話の電源は切って下さいますし、上映中の私語や物音も極力慎んでいらっしゃいます。それは映画に限らず、他人と芸術を共有する場合の最低限の決まり事です。でも芝居やコンサートを観に行くと、必ず無神経な音を出したり携帯の画面を光らせたりする方がいます。そういう方は多分プライオリティーが「そこ」にはないのでしょう。だったら来ないで下さいと言いたくなりますね。ひとつの素晴らしい芸術を他人と一緒に味わう、という歓びは、マナーを守るという思いやりがあってこその感動だと私は思います。