映画コラムニストの合木こずえです。
映画館で生まれ育ち、役者を目指して 進学し、
結局映画の仕事に戻ったはぐれ者です。
生まれた時からスク リーンの前にいるので、
数限りなく観た映画のシーンが常に頭を駆け巡り、
現実の中にそれを求めて落胆ばかりしています。
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FROM EASTは、
1995年に一旦東京を引き揚げて来たときに作った上映会です。
フランス映画やイギリス映画が大好きなので、
渋谷のBunkamuraル・シネマや銀座のシネ・スイッチ、
日比谷のシャンテ・シネなどで上映される作品を選定して、
日本映画の秀作も織り交ぜ、毎月1本~2本、
1週間または2週間と限定して上映しています。
原題:RABBIT HOLE/アメリカ映画/1時間32分
3月17日~23日
毎日10:00と20:30
料金:当日券(一般)¥1,700 前売券 ¥1,300(電話予約可能)
8ヵ月前にひとり息子を亡くしたベッカ(ニコール・キッドマン)は、遺品をすべて捨てようとするが、夫のハウィー(アーロン・エッカート)は毎晩、愛くるしい姿をとらえたビデオを見直し思い出に浸っている。やがて夫の提案で、二人は家族を亡くした人々のグループ・セラピーに参加する。しかしベッカは感情的になり、他人に怒りをぶつけてしまう。そんなある日、彼女は息子を死に追いやった少年を見かけ後をつける。一方、夫はセラピーで知り合った女性との会話に癒しを求め、二人の溝はますます深まってゆく。苦しいのは夫婦だけではない。孫を亡くしたベッカの母親もまた悲しみに暮れ、落胆した娘を気遣う。ダイアン・ウィースト演ずる母親の、愛情あふれる言葉がベッカを導き同時に観る者の不安と緊張をほぐす。痛みをともなうテーマでありながら、観終わると心がすーっと軽くなるのは、希望という結末に無理矢理着地させるのではなく、そこに向かってソフトランディングする人間の、リアルな姿が映し出されているからだろう。
「ラビット・ホール」とは「不思議な国のアリス」の主人公がウサギの穴に落ちて、全く別の世界を体験することに由来している。幼い息子を亡くしたレベッカの失意の日々は、まるで別世界のようであり、人はこの世から去るとウサギの穴をくぐり抜けパラレルワールドに行くと言う少年の発想からこのタイトルがつけられた。原作はアメリカの劇作家デヴィッド・リンゼイ=アベアーがピュリツァー賞を受賞した戯曲。ニコール・キッドマンはこの作品で前回のアカデミー賞およびゴールデングローブ賞の主演女優賞にノミネートされた。
原題:RABBIT HOLE/アメリカ映画/1時間32分
3月17日~23日
毎日10:00と20:30
料金:当日券(一般)¥1,700 前売券 ¥1,300(電話予約可能)
(電話予約受付中) 0263-52-0515 於:塩尻・東座(駐車場完備)
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2012/03/09 UP
私の上映会には「通りすがりに時間つぶしのために、ふらっと立ち寄る」方はいません。皆さん、この日は映画を見る、と計画し、スケジュール調整し仕事や家事を片付けてわざわざ来て下さる映画ファンばかりです。ですから当然ながら携帯電話の電源は切って下さいますし、上映中の私語や物音も極力慎んでいらっしゃいます。それは映画に限らず、他人と芸術を共有する場合の最低限の決まり事です。でも芝居やコンサートを観に行くと、必ず無神経な音を出したり携帯の画面を光らせたりする方がいます。そういう方は多分プライオリティーが「そこ」にはないのでしょう。だったら来ないで下さいと言いたくなりますね。ひとつの素晴らしい芸術を他人と一緒に味わう、という歓びは、マナーを守るという思いやりがあってこその感動だと私は思います。