<心を揺さぶる上映会>FROM EAST
〜協力〜
fromEast
長野県塩尻市大門4-4-8
Tel:0263-52-0515
〜執筆者紹介〜
映画コラムニストの合木こずえです。
映画館で生まれ育ち、役者を目指して 進学し、 結局映画の仕事に戻ったはぐれ者です。
生まれた時からスク リーンの前にいるので、 数限りなく観た映画のシーンが常に頭を駆け巡り、 現実の中にそれを求めて落胆ばかりしています。

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FROM EASTは、
1995年に一旦東京を引き揚げて来たときに作った上映会です。
フランス映画やイギリス映画が大好きなので、
渋谷のBunkamuraル・シネマや銀座のシネ・スイッチ、
日比谷のシャンテ・シネなどで上映される作品を選定して、
日本映画の秀作も織り交ぜ、毎月1本〜2本、
1週間または2週間と限定して上映しています。
「12人の怒れる男」  2時間40分
1月10日から16日 10,11,12は夜8時から
13から16は朝10時と夜8時(通常より30分早く始まります)

料金 当日券(一般)1,700円 前売券1,300円(電話予約可)0263-52-0515 於:塩尻・東座(駐車場完備)
ロシア映画/2時間40分 監督:ニキータ・ミハルコフ
出演:セルゲイ・マコヴェツキー、ニキータ・ミハルコフ、セルゲイ・ガルマッシュ

1957年に公開されたシドニー・ルメット監督の「十二人の怒れる男」を、ロシアの巨匠ニキータ・ミハルコフが完全リメイク。世界にはびこる拝金主義や差別主義、モラルの低下などの社会問題も盛り込み、人間の尊厳や陪審員の責任などをとことん追求した、ダイナミックなドラマ。

12人の怒れる男
とりわけロシアの一流俳優陣による演技合戦が見もの。殺人容疑をかけられた少年の真偽をめぐり繰り広げられる12人の論戦が、次第に彼ら自身の人生をえぐり出す告白物語へと発展するくだり、チェチェンの美しい風景や戦渦の焼跡といった映像も挿入され、かつての名作以上に骨太な作品に仕上がっている。2時間40分、おそらく観客は固唾を呑んで審議を見守り、それぞれの心の中で判決を下すことだろう。オリジナルとは異なる結論を出したミハルコフ監督の、懐の大きさ、そして役者としての威厳も披露する存在感にも脱帽する。日本でも5月から裁判員制度が始まるが、今まさにスクリーンで観てほしい秀作である。
12人の怒れる男


「12人の怒れる男」監督:ニキータ・ミハルコフ  2時間40分
1月10日から16日 10,11,12は夜8時から
13から16は朝10時と夜8時(通常より30分早く始まります)



〜映画の見方メモ〜
 私の上映会には「通りすがりに時間つぶしのために、ふらっと立ち寄る」方はいません。皆さん、この日は映画を見る、と計画し、スケジュール調整し仕事や家事を片付けてわざわざ来て下さる映画ファンばかりです。ですから当然ながら携帯電話の電源は切って下さいますし、上映中の私語や物音も極力慎んでいらっしゃいます。それは映画に限らず、他人と芸術を共有する場合の最低限の決まり事です。でも芝居やコンサートを観に行くと、必ず無神経な音を出したり携帯の画面を光らせたりする方がいます。そういう方は多分プライオリティーが「そこ」にはないのでしょう。だったら来ないで下さいと言いたくなりますね。ひとつの素晴らしい芸術を他人と一緒に味わう、という歓びは、マナーを守るという思いやりがあってこその感動だと私は思います。



2009/01/05 UP