上伊那唯一のオーケストラ、伊那フィルハーモニー交響楽団
伊那谷の音楽シーンを作っていると言っても・・・いいんじゃない？
とにかく、音楽漬けの毎日を送っている伊那フィル団員さんに
音楽について"なんでも"語っていただくコーナーです。
クラッシックはもちろん、音楽だったらなんでもあり！

交響組曲「ドラゴンクエストⅢ」

今回紹介する曲はクラシックではありませんが、私がオーケストラを始めるきっかけとなった曲を紹介したいと思います。

それは“交響組曲「ドラゴンクエストⅢ」そして伝説へ・・・”です。ゲームとしてはあまりにも有名でシリーズも多く出ているドラクエですが、その音楽もどれも素晴らしい曲ばかりです。その多くの曲の中でも、このドラクエⅢには名曲がそろっています。そのＣＤの中のオーケストラ・ヴァージョンはＮＨＫ交響楽団による演奏で、当時小学生だった私はこの曲を聴いてオーケストラの魅力に引き込まれていきました。また、初めてオーケストラの生演奏を聴きたのもこの曲で、その演奏がなんとこの伊那フィルでした。そして私はその演奏会がオーケストラを志すきっかけとなり、その10年後大学でオーケストラへ入団することとなります。

このドラクエⅢの曲調は全体的にロマン派音楽調になっていて、また弦楽合奏やヴァイオリンソロなどもあり、聴きごたえは十分です。ゲームを知っている人はもちろんですが、知らない人でも楽しめるのではないかと思います。その中でも特に弦楽合奏の「王宮のロンド」は弦楽器の響きが素晴らしく、また「戦闘のテーマ」で始まるメドレーは迫力があり、クラシックとはまた違った魅力を感じることができます。他にも「おおぞらをとぶ」ではハープとフルート・オーボエとの美しい響き、「そして伝説へ」の壮大なるフィナーレ。どれも何度聴いても飽きない名曲ばかりです。

この曲のＣＤはＮ響以外にもロンドンフィルハーモニー管弦楽団や東京都交響楽団での録音もありますが、私の一番のおすすめはＮ響版（1988年録音）です。これは発売された年にゲームミュージックとしては初となる日本レコード大賞の特別企画賞にも選ばれた名盤でもあります。残念ながら今では廃盤となってしまっているため入手困難ですが、このＣＤのライナーノーツには収録全曲の譜面が載っているところもおすすめのポイントです。当時私はそれ見て毎日のように学校や家でピアノを弾いていました。もちろんこのＮ響版以外も決して悪いわけではなく、スコア自体はほぼ同一なのでどれを聴いてもドラクエ音楽の魅力を十分堪能できます。
興味を持たれた方、是非聴いてみてください♪

＜おすすめＣＤ＞
演奏：NHK交響楽団
　　　　首席第一コンサートマスター　徳永二男
指揮：すぎやまこういち
録音：1988年
レーベル：アポロン

2011/06/21 UP