~伊那フィルからのお知らせ~
+次回演奏会+
2011年11月20日(日)
長野県伊那文化会館
第24回定期演奏会
マーラー:交響曲第一番 巨人
上伊那唯一のオーケストラ、伊那フィルハーモニー交響楽団
伊那谷の音楽シーンを作っていると言っても・・・いいんじゃない?
とにかく、音楽漬けの毎日を送っている伊那フィル団員さんに
音楽について"なんでも"語っていただくコーナーです。
クラッシックはもちろん、音楽だったらなんでもあり!
Johan de Meij "The Lord of the Rings"
-Symphony Orchestra version-
"Johan de Meij "The Lord of the Rings" -Symphony Orchestra version-"
この曲名だけで分かる方は殆ど居られないと思います。あるいは映画を想像される方も多いと思います。
音楽に全く縁がなかった私が楽器を始めることになるきっかけは中学校で吹奏楽部に入り、体格が良いからと言う理由だけでTubaを吹き始めた(やらされた?)事から始まります。その後、大学生の時に部員数140名の吹奏楽部でClarinetに転向し(させられ?)、社会人になった後も吹奏楽を続けていました。現在は伊那フィルだけに所属して楽器を続けていますが、中学生の時からブランクを除けばおよそ20年位、吹奏楽とともに過ごしてきました。
そんな私が今回紹介する曲は「吹奏楽からオーケストラに編曲された曲」です。
「オーケストラから吹奏楽に編曲された曲」は山のようにありますが、「吹奏楽からオーケストラに編曲された曲」は数える程しかありません。(CDに収録された曲はもっと少なくなります)
ちょっと余談ですが、仙台・大阪・九州など地方のプロオケでは、こう言う「吹奏楽→オーケストラ編曲」と言うプログラムを演奏会でやることもあるようです。もちろん音楽的にオケで演奏するに足る曲が選ばれています。
今回紹介する、ヨハン・デ・メイ(Johan de Meij)作曲・交響曲第1番"The Lord of the Rings(指輪物語)"も、数少ない吹奏楽からオーケストラに編曲された曲で、なおかつCDにも収録されている曲です。この曲は、形式的にも内容的にも「古典的な交響曲」ではありませんが、5楽章・演奏時間約42分という、しっかりした内容の「現代的な交響曲」です。
ちなみに映画の"The Lord of the Rings"とは題材が同じでありながら全く別の音楽であります。当然ながら作曲者も違います。
1・5楽章は金管が、2・3・4楽章と5楽章の中間は弦楽器と木管が活躍します。
オケでは活躍の場が少ないパーカッションも見せ場が多い曲です。
興味があるという奇特な方(!?)は聴いてみて下さい。
物語に関してではなく、この曲に関して調べてみましたが、現在は既に多くの解説がネット上にあります。曲想についてはここでは詳しく書きません(書けません?)。興味を持たれた方は、調べてみて下さい。私が初めてこの曲を吹奏楽で演奏したのは大学3年生の時でしたが、ヨーロッパの若手作曲家の作品というだけで情報は殆どありませんでした。当時(1994年頃)、吹奏楽でこの曲の響きはとても斬新で、およそ吹奏楽らしくないと思ったと言う事だけは鮮明に覚えています。吹奏楽版でもプロの演奏ならそれなりの良さがありますが、やはりオケ版の方が断然響きが良いと思います。
おすすめCD:Symphony No.1 "The Lord of the Rings"
大勝秀也指揮・名古屋フィルハーモニー交響楽団演奏(ライブ録音)
(名フィルリンク先)https://www.nagoya-phil.or.jp/goods/2001.html
ロンドン交響楽団の演奏もあります。「ニコ動」で聴く事が出来ます。
以下は、曲の解説です。
・概要
交響曲第1番『指輪物語』(Symphony No.1 "The Lord of the Rings")は、オランダの作曲家 ヨハン・デ・メイ (1953-)がイギリスの作家ジョン・R・R・トールキンのファンタジー小説「指輪物語」を題材に作曲した交響曲である。
5楽章からなる演奏時間約42分の吹奏楽のための交響曲として1988年頃書かれた。各楽章には登場人物や情景に基づくタイトルが付けられているが、楽章の並びは原作ストーリーの展開に沿っておらず、交響曲として演奏された場合の音楽的構成に重きが置かれている。1・3・5楽章は物語全体の重要キャラクターのポートレイト、2・4楽章が情景やストーリーの描写の楽章であり、各キャラクターのイメージをあらわすテーマがライト・モティーフとして随所に散りばめられ、音楽全体の構成を強固に結びつける効果を上げている。
1989年にこの曲がサドラー国際吹奏楽作曲賞を受賞し、1990年にはオランダの作曲家基金「音楽創造基金」の賞金を得た。アメリカの指揮者デイヴィッド・ウォーブルの勧めで、オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団の首席打楽器奏者で編曲家としても著名なヘンク・デフリーヘルに依頼し、管弦楽版が作られた。
・曲の構成
第1楽章 魔法使いガンダルフ
Andante maestoso - Allegro vivace、3/4拍子
第2楽章 エルフの森ロスロリアン
Lento, rubato、4/4拍子 - Allegretto grazioso、6/8拍子
第3楽章 ゴラム(スメアゴル)
Agitato、3/4拍子
第4楽章 暗闇の旅
a) モリアの坑道
b) カザド=ドゥムの橋
4/4拍子
第5楽章 ホビットたち
Andante maestoso、3/4拍子 - Allegretto、2/2拍子
(曲の概要と構成はCD付属のライナーノーツから引用しました)
2011/09/05 UP